712 名前:[sage] 投稿日:2007/11/30(金) 12:39:45 id:UqCy8wyN0 (PC)
「どうして……どうしてなの!?」
真美が叫ぶ様に訴える
その顔を、辛そうにPが見つめた

「こんなに胸が苦しいのに…痛いのに……。 何で兄ちゃんの事好きって言っちゃダメなの!?
 真美、知ってるんだよ!? あずさお姉ちゃんも、ピヨちゃんも、皆兄ちゃんが好きなんだって!
 真美だって皆に負けない位、兄ちゃんの事が大好きなのに……なのに、皆は良くて…どうして真美はダメなの!?」
心の慟哭を、尚も吐露し続ける真美
その瞳は涙を浮かべ、ポロポロと止め処なく零れ落ちて行く

「真美!」
鋭く一喝する様なPの声が部屋に響き渡った
同時にビクンと体を震わせ、言葉を止める真美
「ダメだ、真美。 今のその『好き』は言っちゃいけない言葉だ」
「何で…どうして!?」
「俺は、その『好き』には答えられないからだ」
「どうして!? どうして…そんな…。 兄ちゃんは………真美の事がキライなの!?」

「違う、違うよ真美。 そうじゃない」
首を振って、彼女のその問いかけに答える

今度は先程の一喝した声とは違う雰囲気を含んだ声だった
それは声を発した表情を見れば判る
そのPの表情には、辛そうな色が見えていたから

「じゃあ…」
「俺は、『今の真美』には答えられないと思ってるんだ」
「…『今の真美』には…?」
「そう。 俺が今の真美に言う『好き』は、俺の本心を含んだ物じゃないから。 いや、含んじゃダメなんだ
 だから、今の真美が言う『好き』と、俺が『今の真美』に言う『好き』は、同じには出来ないんだ…」
「…判んないよ、そんなの…。 真美、判らないよ!」
そう言い放つと、真美は泣きじゃくってしまった

その姿に、苦しそうな表情でPが告げる
「それはな…俺が『大人』で、真美が『子供』だからだ」
「ヒック…そ、そんなの…グス…か、関係…ヒック…な…い…グス」
「判ってくれよ」
「真美…こ…子供じゃ…な…ヒック……」
「真美…」
「だって…だっ(ry」
その真美の言葉は、驚いた表情と共に途中で途切れた

Pが真美の唇に、自分の唇を重ねていたからだ

暫しの後、両者の唇が離れると真美の口から溜息の様な吐息が毀れる
「判ってくれたか? これが『今の真美』には言葉で答えられない、俺の本心だよ…」
真美を優しそうな眼で見つめながら、Pが言う

又、真美の瞳から涙が溢れ毀れ落ちて行く
だが、その表情はとても嬉しそうな表情に満ちていた
「兄ちゃん…。 真美ね…真美は、やっぱり兄ちゃんの事が………『大好き』!」


腕を伸ばしPに抱きつくと、今度は真美の方から唇を重ねていった