845 名前:[sage] 投稿日:2008/02/15(金) 21:21:03 id:xFZU2UYzO (携帯)
「おはようござ……うぉっ! な、何なんですか!」
「何って、ひな人形よ」小鳥さんが応える。
「3月3日になったら速攻で片付けるの。そして私も晴れて嫁ぐのよ〜♪」
えーと……この人は放っておこう。
隣のあずささんに聞いてみよう。
「この人形はいったい……?」
「小鳥さんが家から持って来たんです〜。
 朝早くから組み立てて、ついさっき出来たんですよ〜」
豪華七段飾りというやつだろうか、ただでさえ狭い事務所をさらに狭くしていた。
「朝からって、あずささんも手伝ったんですか?」
「はい〜、手伝うと早く結婚出来るということでしたので〜」
「あーら、あずさちゃん。お姉様が先にいってから、でしょ?」
なんか、小鳥さんから黒いオーラが出てるような気がするんですが。
「おっ、せっかくだから写真撮りましょう、写真」
場を和ませようと思い、俺はデジカメを出した。
小鳥さん、あずささん、そして二人並んで。
「いやー、二人共お雛様みたいに綺麗ですよ」
「それじゃあ、プロデューサーさんはお内裏様ですね」
「じゃ、あずさちゃん、私とプロデューサーさんで撮って」
「あのー、わ、私もプロデューサーさんと写りたいです」
どっちが先に写るか、押し問答が続いた。
「あー、もういい加減にして下さい!
 タイマーセットして俺が真ん中で撮ります!」

「はい、もうすぐですよー。チー……」
赤いLEDの点滅に合わせて声をかけたが、最後の『ズ』を飲み込んでしまった。
ほぼ同時に二人が腕にしがみつき、柔らかな塊を押し付けてきたからだ。