172 名前:[sage] 投稿日:2008/08/03(日) 11:22:39 id:oCu7+rCj0 (PC)
わるい、勢いのみで投下する。

今日、やよいは久々のオフ。さて、このあいだにコーヒーでも飲みながら、溜まってた仕事を片付けるか)
「……プロデューサー、いますかー?」
「あれ? やよいじゃないか? ……どうしたんだ、今日はオフだろう?」
「そうなんですけど……私っ、プロデューサーに訊きたい事があってきたんです!」
「訊きたいこと? 宿題とか?」
「ち、違いますー! ……あの、私って、えろいですかっ?」
「ぶーーーっ!」
「あっ! プロデューサー、コーヒーがもったいないですよー?」
「げほっ! げほっ……わるい、やよい? もう一回言ってくれないか?」
「え? いいですよ。私、えろい……」
「ちょ!ちょっとまてー!」
「えーっ、だって、いまプロデューサーがもう一回言えってー……」
「こ、ここじゃあまずいっ。そ、そうだ、会議室にいこう! は、早く!」


「なるほどな……。学校の男の子にそんなことを言われたのか」
「はい……お前は、えろさが無いからこれ以上売れないって……。ううぅー、そうなんでしょうか、プロデューサー?」
(中学生でえろい、か……俺もやよいくらいの頃は、そんなこと言ってたのかなぁ)
「プロデューサー?」
「ん? あ、わるい。ちょっと考え事をしてたんだ。それよりやよい、えろいってどういうことか知ってる?」
「え? ……なんとなくですけど……セクシー、ってことですよね」
「うーん、まあ、そんなところかな」
「ということは、私、セクシーじゃないってことですかー? ……ショックですう……」
「そんなに、落ちこまなくても……あれ?、ということは、やよいは自分のこと、セクシーだと思ってたのか」
「はい……。少しは思ってました」
「そ、そうなんだ」
「私っ、どうすればもっと、セクシーになれますかっ?」
「どうすれば、って言ってもなあ。……やよいは、どうなりたいんだ?」
「私ですか? えーと、や、やっぱり……もっと、ぐらまーにならなきゃって、思います!  だって、男の人って、
そういう女の人が好きなんですよねっ……プロデューサー?」
「お、俺? ま、まあ、そういう男も多いのは本当だけど……俺は違うぞ?」
「そうなんですか!?」


173 名前:[sage] 投稿日:2008/08/03(日) 11:24:20 id:oCu7+rCj0 (PC)
「確かに、グラマーな女の人はセクシーだけど、やよいくらいの年じゃあ、無理だろ」
「で、でもー……。ほかのアイドルの子は、けっこうすごい人がちらほらと……」
「そりゃあ、中にはそんな子もいるだろうけど、年相応の成長くらいでじゅうぶんなんだよ、本当はさ」
「うー……、でも……」
「それにセクシーさを感じるのは、なにも体のボリュームだけじゃないよ」
「え?」
「たとえば俺は、やよいのその髪にセクシーさを感じるな」
「えー? この髪に、ですか?」
「うん、やよいが踊ってるときに前髪がはらりと横に流れるときとか、少し乱れた髪の毛が頬に張り付いてるところとか、
そんなのを見ると、ドキッってしちゃうよ」
「プロデューサー……本当に?」
「本当だよ。あ、あと、ちょっと舌ったらずな声もいいよな。みてれぅー、なんてすごくやよいのセクシーさがでてるよなあ」
「ぷ、プロデューサー!? ちょっと恥ずかしいですぅ……」
(よし、ここで俺が真っ赤に照れているやよいを元気づけることを言ってやらなければ!)

「やよいは、今のままでいいんだよ」
「今のままで……?」
「ああ、確かにやよいには、はっきりとしたセクシーさは無いのかもしれない。でも、アイドルに求められるのは単純に、
セクシーさだけじゃないだろ。やよいにはやよいにしか持ってない、アイドルとしての魅力があるんだ。胸をはっていればいいのさ」
「……はい! わかりました! 私、少し考えすぎてたかも」
「上にむかって、いろいろ考えるのはいいことだけど、あまり、深く考えすぎないようにな」
「えへへ……私、このままでいいんですよねっ、プロデューサー?」
「もちろん。やよいのファンは今のやよいが好きなんだ。やよいが急に変わっちゃたら、ファンも戸惑っちゃうよ」
「ファン? ……あ、あの……ファンも大事ですけど、そのー……」
「ん? どうした?」
「な、なんでもありませーん! うっうー! 高槻やよい、このままでこれからも、いつも以上にがんばりまーすっ!! いえいっ!」
(ふう、なんとかやよいを元気付けつつ、えろいに関してごまかすことができたな……それより、事務所に誰もいなくて本当に
よかった。やよいにこういう話をするときは、これから二人だけのときにするよう言っておくか)