192 名前:[sage] 投稿日:2007/10/15(月) 20:41:26 id:u7MX+2SL0 (PC)
「あら、千早ちゃんが珈琲なんて、珍しいわね」
「プロデューサーの分を入れた時に一緒に入れたんです」
小鳥の問いに千早は手元の紙にメモする手を休めず答える。
「そのプロデューサーさんは?」
「急な来客でしばらく席を外すそうです」
彼女の答えに納得し、小鳥は予定表を見る。千早はオフのはずだが・・・・・・いや、何も言うまい。
「それ、何を書いているの?」
「今晩の献立を考えていたんです。レパートリーが多くないので苦労しています」
メモを覗くと作る料理と材料、分量が書き出されている。
「ふ〜ん、白身魚の野菜あんかけにきんぴらレンコン、炒り豆腐かぁ」
「野菜を多くとれる料理を、と思いまして」
そう小鳥に答えながらも千早の手は止まらない。
少しはこっちを見て欲しいんだけど、と思いつつも千早のメモを見ていると・・・・・・
その分量が多いことに気がつく。
「ねえ、量が多くない?」
「・・・・・・一人分だけ買うと高く付くのでまとめ買いするようにしています」
その言葉の間に不自然さを感じた小鳥はさらに質問を繰り出す。
「長持ちしない材料もあるみたいだけど?」
「・・・・・・一人分だけ作るのは面倒なので、作り置きしてます」
この千早の答えで小鳥は回答を得た。しかし、そのまま言うのは面白くないので捻ることにする。
「プロデューサーさん、確かレンコンが嫌いじゃなかった?」
その小鳥の声に千早は顔を上げる。
「え、そうなんですか!?」
「さあ? 知らない♪」
千早が見たのは楽しそうな小鳥の顔だった。それで全てを彼女は悟る。
「くっ、また・・・・・・」
「千早ちゃん、正直に言いましょうね♪ これ、プロデューサーさんの分も一緒ね?」
小鳥の声に千早は顔を真っ赤にして頷く。
「お弁当だけじゃなくて、晩ご飯まで作りに行っているんだ。まさに通い妻ね、千早ちゃん♪」
小鳥の言葉に千早は完全に俯くが耳まで赤くしていれば、表情を見る必要もない。
「日本有数の歌姫の手料理を昼も晩も食べられるプロデューサーさんは幸せ者ね。
 プロデューサーさんは週に何日、千早ちゃんの手料理を食べられるのかしら?」
小鳥は千早ちゃん萌え萌えと思いながらも冷静に言葉を繋ぐ。
その意地悪な問いに千早は答えたようだが、声が小さく聞こえない。
「ん、聞こえないわよ。お姉さんに聞こえるように教えて」
「・・・・・・週に・・・・・・七日」
毎日かよ、小鳥は思わず言いそうになるが堪える。
せっかく『萌え』を実装したのだ。下手なことを言って失ったら、勿体ない。
「そ、そう。え〜と、夜遅くなった時は気をつけてね」
「はい」
千早は消え入りそうな声で答えると再びメモを書く作業に戻る。
その姿に小鳥はもう少しからかっても大丈夫と判断した。
「私もプロデューサーさんの朝ご飯でも作りに行こうかしら?」
「私が作っているので必要はありません!!」
言った千早もだが、聞いた小鳥も時が止まる。
「ま、まさか千早ちゃん、お泊まり・・・・・・」
「泊まっていません。お弁当を渡す時、ついでに・・・・・・」
小鳥の言葉に千早は頭を振って応える。
「そ、そう。え〜と立場だけは考えてね。応援するけど」
「はい、気をつけます」
千早の言葉に頷きながら小鳥はその場を離れる。これは奇襲するしかない、と思いつつ。

残業から帰り、コンビニ弁当を一人で食べながら思いついた。
今回も虚しくなったが後悔は・・・・・・してないがコンビニ弁当を美味しく感じることは出来なくなった。


216 名前:[sage] 投稿日:2007/10/15(月) 23:44:32 ID:4Lt46Kj60 (PC)
>>192の補完ということで


〜小鳥さんの すごい 仕掛け〜

今日は少し大きめのカットソーを選んだ。これだと前かがみで胸元が除けちゃうのよね。
 「プロデューサーさん、ちょっとご相談したい事が…今日とかお時間ありますか?」
少し前のめりになって、座っているPさんに目線を合わせた。Pさんの視線が泳いでいる。
(ふふ・・・・・・見てる見てる♪Pさんも男の子ねぇ〜千早ちゃんじゃできないもんねぇ♪)

 「小鳥さん、今日はちょっと早く帰りたいというか、いろいろと事情があってですね…」
予想とおりの返答。さて、ここから事を慎重に運ばないと…
 「相談というのは…実は千早ちゃんの事なんですけど…お忙しいのなら仕方ありませんね。」
 「えっ?千早のことですか? 何なんですか?小鳥さん!」
(あらあら、千早ちゃんの事となると…お姉さん妬けちゃうわね)
 「少しプライベートな事ですし、ここではちょっと…」
 「そ、そうですか…分かりました。今夜は予定を空けますのでお願いします、小鳥さん」


さあ、千早ちゃん。明日、Pさんがどうなっているか楽しみね♪うふふ♪


217 名前:[sage] 投稿日:2007/10/15(月) 23:48:39 id:Chj1pXfZ0 (PC)
>>216
小鳥さんテラ悪女


218 名前:[sage] 投稿日:2007/10/15(月) 23:54:17 id:efI1AMuJ0 (PC)
らめえ!


219 名前:[sage] 投稿日:2007/10/15(月) 23:59:29 id:E4Hprova0 (PC)
次の日。
「音無さん」
「あら、千早ちゃん。どうしたの?」
千早に呼ばれ小鳥はモニターから顔を上げる。
「ちょっとツラ貸して下さい」
「え、いいけど」
千早の口調に小鳥は身の危険を感じた。
なんと言うか・・・・・・剣虎に狙われた鳥の気分。
(そのまま¥じゃない。やり過ぎたかしら?)
とりあえず、席を立ち、どう謝ろうか考える。
最終的に素直に謝るしかないのだが。


「お、千早。事務所に来てたのか」
「あ、プロデューサー。今度のライブの会場決まりましたか?」
営業先から帰ってきたプロデューサーを千早が嬉しそうに迎える。
「ああ、今度の会場は凄いぞ・・・・・・
 って、千早。その俎板は何だ」
「え、ああ、これですか。ちょっと鶏を捌いたんです。
 唐揚げにして、事務所の皆さんに振る舞いました」
千早は俎板の水気を拭き取り鞄にしまう。
「そうか。俺も食べたかったな」
「プロデューサーには私がいつでも作って差し上げますから」
彼の言葉に彼女ははにかみながら応える。
「そうか。楽しみにしているから。そう言えば、小鳥さんは?」
「さあ? それよりもプロデューサー。レッスンについて考えたのですが・・・・・・」
仕事モードに入った千早にプロデューサーも仕事モードに入る。
二人の思考から雑念が消えていく。
それと同じようにこの日から小鳥も消えた。


ID違うけど>>192です。
さすがに>>216の後だとこんな展開しか思い浮かばないです。
小鳥さんファンと千早ファンに謝りようがない。
やはりやり込みが足らないと言うことか・・・・・・


232 名前:[sage] 投稿日:2007/10/16(火) 00:33:27 id:RLd71GOS0 (PC)
>‎216後、別展開


「お待たせ。 それじゃあ、行きましょ♪」
小鳥が腕に抱きつく様に、寄り添う

「ちょ、ちょっと、小鳥さん! ま、まずいですよ!」
「あらぁ…? 何か、困る事でも?」
そう言いながらも、しっかりと腕に抱き付く小鳥
お陰で豊かな胸の感触がかなり身近に伝わる。どうも、何か作為的な感じがしないでも無い

「い、いや…何でも無い…です
 そ、それより、千早の事って一体何なんですか!? 俺、何か気になって…」
「嫌だなぁ、プロデューサーさん。ココじゃ話せないって言ったじゃ無いですか
 焦る男って、女の子には嫌われちゃうものですよぉ?」
と、何時もは見せない小悪魔の様な表情
「うっ…」
そう言われては、これ以上突っ込み様が無い
大人しく小鳥に従って、夜の繁華街を歩く嵌めになる


千早が買い物袋を下げて、Pのマンションへ向かっていた
「えーっと…。 うん、買い残しは無いわね」
袋越しに買った物とメモを見ながら、もう一度確めて行く
「ふふ…。 さあ、早く作ってあげなきゃ」
頬を少し染めながら、自然その歩みも速くなる

「あ、そっか。 ここ、抜けていけば…近道ね」
ふと、ここから繁華街を突き抜けて行けば、5分歩程早い事を思い出した
アイドルの身なので、変装していてもなかなか人込みの中を歩くのは、気持ちの良い物では無い
だがPの所へ早く向かいたい気持ちが強く、それは、たまたま偶然に思い立っただけの事であった

しかし…

人込みの中に、何と無く見覚えの有る人影がふと目に映った
よく覚えの有る雰囲気、そして、それは後姿でも間違う事は無い

Pの後姿
傍らには寄り添い笑顔を見せる女性…小鳥の姿

ドサリと音を立てる買い物袋


千早の周りの時が止って行く


BGM:「relations」


243 名前:[sage] 投稿日:2007/10/16(火) 00:56:04 id:gI1pj2FA0 (PC)
試しに代わりに>>192に続けてみる

落ち着いたショットバーで軽く乾杯をして、男はさっそく話題を切り出した。
「お話と言うのは何でしょう?」
「それは、……ちょっと言いにくいことなんだけど」
女はマティーニグラスを傾けながら、頬を赤らめた。
ふう、とため息をつきながら、カウンターに肘をついて赤くなった頬に手を添える。
カウンターへ体重を預けながら男へほほえみながら振り向くその仕草に、
女の千早以上伊織未満(推定)の胸元があらわになった。
男は鉛を飲み込んだような気分になって、視線を泳がせる。
『二十チョメチョメ歳くらいになれば……千早もここまでは育つのだろうか』

不意に今朝の千早の姿が思い出された。
リズミカルな音と、それにときどき混じる『くっ』と言う声で男は目覚めた。
反射的に飛び起きそうになる体を制して、男はうっすらと気付かれないようにまぶたを開けた。
寝たふりをするのがここでのたしなみ。
もちろん割烹着におたまを持った千早の後ろ姿に無言で飛びつくような、はしたないPなど存在していようはずもない。
『今日の朝食は和食か……』
トーストやベーコンエッグのときはエプロン、おかゆのときはチャイナドレスだから内容はわかりやすい。
しかしどんな姿をしていようが、千早は千早だ。
薄い。

「どうしたんですか?プロデューサーさん。そんなに見られると、照れちゃいますよぉ」
「いえ。……小鳥さん、普段の事務服も似合ってますけど、そういう服も似合ってますね」
千早に着せたら、『……くっ』確定の服ではある。
しかし男は目の前の女の姿と服装を通して、千早の姿を見ていた。
『……こういうのもステージ衣装にいいかもしれないな。今度DLCに希望メール出しておこう』
うるんだ目で男を見ていた女は、少し寂しげに笑った。
数回まばたきをして、それから言う。
「……プロデューサーさんて、誰か好きな人います?」
単刀直入な女への答えは、男の反応が全てを物語っていた。
軽く口に含んだハイボールを前方へ勢いよく吹きだし「い、……いいえ」
まるで母親のように、女はバッグから取り出したハンカチで、錆びたロボットのように動く男の口元を拭いた。
ハンカチをしまうと、手帳を取り出す。
「じゃ、今日は誰が好きかを聞くのだけはかんべんしてあげます。その代わり……」
そして、使い慣れたボールペンのキャップを取る
「食べ物の好き嫌い、……おねーさんに教えてごらんなさい?」

翌日の朝食から、早くも男の嫌いなものが食卓に並び始めた理由。
それは、朝を告げる小鳥だけが知っていた。