750 名前:SS[sage] 投稿日:2008/05/17(土) 23:02:25 id:sjV6v8830 (PC)
「プロデューサーさん、モテモテですね」
「だから、違うんですよ、小鳥さん」
小鳥の言葉を否定する彼を見て、千早は少しむっとしながらも笑顔で二人の側に寄る。
「おはようございます、プロデューサー、音無さん」
「おはよう、千早ちゃん、聞いて聞いて」
「何かあったのですか、音無さん」
椅子に座り、千早は小鳥の言葉に耳を傾ける。
「プロデューサーさんに今年のバレンタインの戦果を訊ねてみたのよ」
「今頃ですか」
「今頃だから、聞くのよ。その後の発展があったで、実質的な戦果が分かるでしょ?」
千早の問いに小鳥は胸を張って答える。
「要するに義理チョコは戦果に入らない、と言うことですか」
「そうよ。同僚やお得意先には私だって、予算の範囲内で配っているもの。
 重要なのはお返しをして、さらにその先に繋がったチョコがあるかどうかよ、千早ちゃん」
「拳を振り回しながら、力説するほど重要かは不明ですが・・・・・・それでプロデューサーの答えは?」
「ああ、俺は・・・・・・「それが聞いてよ、千早ちゃん」
彼の言葉を遮り、小鳥が千早の耳元に口を寄せる。
「プロデューサーさん、人妻と女子大生からもチョコレートをもらって、
 ホワイトデーにお返ししただけでなく、ご馳走までしたんだって」
「・・・・・・プロデューサー、詳しいお話をお聞かせ願えますか?」
小鳥の言葉に千早の目を細くなり、ぴたりと彼を睨み付ける。
気持ちを落ち着けるために机の上にあった鉛筆を指でくるくる回す。
「あのな、千早、小鳥さんの言う人妻は・・・・・・「それだけじゃないのよ、千早ちゃん」
彼の言葉を遮り、小鳥は千早の肩を抱き、耳元に囁く。
「プロデューサーさん、人妻に花束とネックレスを贈ったんですって」
次の瞬間、バシッと音がして、千早は鉛筆を真っ二つに折っていた。
「プロデューサー、見損ないました。
 ホワイトデーに言いましたよね。千早は特別な存在だと。だから、私・・・・・・くっ」
そう言って、千早は立ち上がる。泣いている姿は見られたくない。
「今日は帰ります。さようなら、プロデューサー、お幸せに」
「待て、千早、話を聞け。人妻と言うのは俺の母親で、女子大生は俺の妹だ」
「・・・・・・はい?」
彼の言葉に千早は立ち止まる。
「だから、俺が母親にこの前の母の日にカーネーションとゲル●ニウムブレスレットを送ったと言う話だ」
「そうなのよ、千早ちゃん」
「音無さん、それならそうと仰って下さい。私は・・・・・・」
そこまで言って小鳥のにやにやした顔に気付く。
「どうしたのかな、千早ちゃん」
「プロデューサーが倫理的に許されない恋に突っ走ったのかと思いました」
「あはは、ごめんなさいね、千早ちゃん。ちょっとした茶目っ気よ」
笑顔で言う彼女に千早はため息をつく。心臓に悪すぎる。
「小鳥さんも悪いが、千早も悪いぞ。俺がそんなにもてるわけないだろ」
胸を張って言う彼に千早はため息をつく。ここに心を寄せている私がいます、と言いたい。
「まあ、二十歳以下で過去六年間、ずっとチョコをくれたのは妹だけだ」
「その前はもらえなかったのですか?」
「ああ、親父がお袋と再婚したのが六年前だからね」
彼の言葉に千早と小鳥は「はい?」と間の抜けた声を返す。
「あれ、言わなかったっけ? 俺の両親は八年前に離婚したことを。
 義妹は義母の連れ子で、出会った頃から「私、お兄ちゃんのお嫁さんになる」って言っていたなぁ」
(話を聞いた瞬間、恋敵だと悟った。今、貴女はどこにいるの?)
そんな言葉が千早の脳裏にメロディと共に浮かぶ。
「今度、千早にも紹介するよ。四月からこっちの大学に来ているから」
「ええ、紹介して下さい。一度は会っておきたいですから」
敵を知り、己を知れば、百戦危うからず、の言葉が千早の脳裏に思い浮かぶ。
幸いにもプロデューサーは義妹を家族としか思っていないようだ。
自分も彼から見たら、似たようなものかもしれないが勝算はあるはずだ。
「ああ、嫉妬と闘志を燃やす千早ちゃんも萌えね。これからが楽しみだわ」
そんな千早を見ながら、小鳥も闘志を燃やした。これは見逃せない、と。

コンビニで揚げ物を買おうとすると千早の怒った顔が思い浮かぶ


751 名前:[sage] 投稿日:2008/05/17(土) 23:09:17 id:ALRg2YUa0 (PC)
あらコンさんおひさ。
……って新キャラ登場かよ!

盛 り 上 が っ て ま い り ま し た ッ !