393 名前:[sage] 投稿日:2007/09/25(火) 01:23:09 id:XD3QkwHC0 (PC)
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「ゴホッゴホッ…、う…ぁ…喉いてぇ…。……あれ、雪歩? 雪歩じゃないか、どうしてこんなトコで穴掘ってんだ?」
雪歩の背後から、Pの声が聞える
「ええっ!? ど、どうして…プロデューサーがこんなトコ…に?」
「どうして…って、俺のトコだし。いや喉痛いから冷たい物でもと…ゲホッ、あー、悪いけど早く部屋戻りたい…っつーか、辛…」
( はわっ! ぷ、プロデューサー、かなり辛そうですぅ…。 や、やっぱりお見舞いはお邪魔になっちゃいそうですぅ… )
よく見るとかなり顔が赤い。目も何と無くボーっとした感じだ

不意にPの姿がフッと視界から消える。次いで、ドサリと言う音
音のした方 ―――― 足元を見ると、Pが倒れていた
「きゃぁあああああ! ぷ、プロデューサー!? プロデューサー!! ……だ、誰か…誰か助けてぇ!!」
涙目になった雪歩の瞳に、悲鳴を聞き付けた管理人が何事かと飛び出して来るのが映っていた


「全く…。こんなに酷いのに出掛ける人が何処に居ますか!?」
「は、はい…す、すみませんですぅ…」
往診に来てくれた医師に、Pの代わりに怒られペコペコと雪歩が謝る
「兎に角、恋人さんか妹さんか知りませんが、しっかり傍に付いててあげなさい。起きようとしたら、縛っても寝かせつける事。いいですね?」
「こ、恋っ!?」
『恋人』の言葉に、音を立てて真っ赤になった雪歩は、医師の台詞に返事が出来ずにコクコクとだけ頷いた

医師の帰ったあと、ベッドのPから程無く聞える寝息。抗生物質が早くも効いてきたのか、時折小さく咳き込むも幾分マシな表情を見せている
「…やっぱり連絡しよう……皆プロデューサーの事、心配してたし…………」
Pの所に来ていると言う事実が電話させるの躊躇わせていたが、皆Pを心配している気持ちは一緒なのだ。決心すると電話を取り出す
「………あ、もしもし、萩原です。小鳥さんですか? …ええ、プロデューサーの風邪の様子なんですけど………ええ、はい…」
Pが倒れた事。診療して貰った事。今は安静に寝てる事。安心させる様に現在の様子を細かく伝えて行く

『あれ…? …って、事は…?』
一通り伝えた後、ポツリと小鳥が呟いた
『も、若しかして、プロデューサーさんの所!? しかも一人で!? きゃー!それ、大チャンスよぉ!? うわー、やるわねぇ…』
雪歩の手から、ポトリと電話が落ちる
『よーし、こうなったらお姉さん応援しちゃうゾ! まずは……あれ? もしもし、雪歩ちゃん? ねぇ、雪歩ちゃん、聞いてる? もしもーし!』

Pの部屋で、固まりながら2回目の紅潮を雪歩が見せた


「あ、き、気が付きました? プロデューサー…」
Pが目を覚ました様だが、やはり何と無く弱々しい。熱も、まだ完全には下がりきっていない顔色をしている
「ダメですよぉ…、お医者さんに寝てなきゃダメっていわれたんですからぁ…」
「あ、雪歩か…すまんな…。 若しかして…ずっと、傍に居てくれたのか…?」
コクリと小さくが頷く
「…ありがとう…」
ふと、穏やかな顔で雪歩に礼をPが告げる。何時もは見れないPの素顔、そんな表情だった
( はわっ! そ、そんな顔しないで下さいですぅー! ふぇーん、こ、小鳥さんの所為で意識しちゃうですぅ… )
「そ、それより、プロデューサー…、ほ、ほら、桃缶ですぅ。や、やっぱり風邪引いた時は、これが一番だから…冷やしてるしきっと美味しいですよぉ?」
「そっか…。じゃあ……」
「あ、じっとしてて下さい…。はい…」

自然に…2人のその動作は、本当に自然だった
雪歩が桃を小さくスプーンで切ると、Pの口元へ運ぶ。それを躊躇わずにPが食べる。

「…ん、冷たくて…美味しい…。
 ………………………俺、雪歩がお嫁さんだったら…
 …ゴメン、何言ってんだろ俺……まだ、熱有るのかな…?」
赤くなって小さくPが笑った。だが、その赤い理由が決して熱だけの所為では無いのは明らかだ

( ……え? わ、私…今何を…?
  えぇえええぇええ!? し、しかも、プロデューサー、い、いい、今、お、お嫁…さんって…? …………ふぇえぇえええええ!? )

パーフェクト・コミニュケーション(?)